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石垣島は日本が誇る南国リゾートであり、美しい珊瑚礁と熱帯魚が彩る海はシュノーケリングの楽園です。しかし有名スポットだけでなく、知る人ぞ知る穴場も数多く存在します。
本記事では、石垣島の地形や海の特徴といった基本情報から、初心者でも安心して楽しめる静かなビーチ、上級者やリピーター向けの冒険的エリアまで、観光客向けに厳選した穴場シュノーケルスポットをたっぷり紹介します。
各スポットで見られる海の生き物、混雑状況、注意点、ガイドツアーの有無、季節ごとの変化、環境保護への配慮なども詳しく解説します。
石垣島の海を満喫しながら、美しい自然を守るためのポイントも押さえていきましょう。
目次
石垣島は八重山諸島に位置し、島の周囲には日本最大級の珊瑚礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」が広がっています。
年間を通じて気温・水温が高めで冬でもシュノーケリング可能な温暖な気候が魅力です。
島の北側から東側にかけては広大な珊瑚礁が発達し、多種多様な熱帯魚やウミガメが生息する生きた水族館のような海中世界が広がります。
一方で場所によって潮の流れ(リーフカレント)が速いエリアもあり、海況には注意が必要です。
1.地形と海の特徴
石垣島の海岸は遠浅のビーチからドロップオフのある外洋ポイントまで様々です。遠浅のビーチでは砂地や海草藻場が広がり、小魚やウミガメが見られることもあります。サンゴ礁が発達した場所では、水深数メートル以内の浅瀬にも色鮮やかなサンゴと熱帯魚が群れています。
沖合にはマンタ(オニイトマキエイ)が回遊するルートもあり、川平湾沖の「マンタスクランブル」と呼ばれるエリアはマンタの通り道として有名です。
マンタは普段水深6~7m付近を泳ぎ、運が良ければ水面近くまで上がってくることもあります。
2.季節と風向き
石垣島では季節によって支配的な風向きが変化し、海のコンディションに影響します。夏(主に7月~9月)は南寄りの風が中心で海が穏やかな日が多く、シュノーケリングのベストシーズンです。
マンタとの遭遇率もこの時期が最も高く、夏にマンタツアーに参加するのがおすすめとされています。
秋(10月~12月)は風が北向きに変わり始めますが、マンタの繁殖シーズンでもあり、一度に複数のマンタに出会える可能性が高まります。
冬(1月~3月)は北東の季節風が強まり海が荒れやすくなります。北風の日は島の北側・東側の海は波が高くなりがちなので、風向きと反対側のビーチ(南側や西側)を選ぶと陸地が風を遮り穏やかになることが多いです。
例えば冬に北風が強い場合は、島の南〜西向きのビーチを狙うと良いでしょう。一方、夏場に南風が吹く日は北部の海岸がベストです。このようにその日の風向きに応じて島の反対側のポイントを選ぶことで、一年を通して快適なシュノーケリングを楽しむことができます。
3.安全対策
石垣島の海は基本的に透明度が高く穏やかですが、場所によって離岸流(リーフカレント)や満潮・干潮の潮位差があります。初心者の方や泳ぎに自信がない方は、必ずライフジャケットを着用しましょう(地元でも毎年水難事故が発生しています。
ハブクラゲ(猛毒クラゲ)は夏場に出現するため、クラゲ防止ネットの無いビーチではラッシュガードやマリンスーツで肌を保護すると安全です。
これら基本知識を踏まえつつ、次章からはいよいよ石垣島の穴場シュノーケリングスポットを紹介していきます。
まずは、自分でビーチからエントリーできる穴場スポットを紹介します。どのビーチも監視員や設備がほとんど無い自然のビーチで、人も少なくプライベート感を味わえる場所ばかりです。その分、事前準備や安全確認はしっかりと行いましょう。
初心者やファミリーでも楽しめる穏やかなビーチから、少しアドベンチャー性のある上級者向けポイントまで、石垣島らしい海が楽しめるスポットを厳選しました。
石垣島を代表するシュノーケルスポットである米原(よねはら)ビーチは、市街地から車で30分ほどの北岸に位置する遠浅のビーチです。
白い砂浜が約1kmにわたり続く景観は美しく、海に入るとすぐ目の前にカラフルなサンゴ礁と熱帯魚が広がります。
ニモでお馴染みのカクレクマノミや瑠璃色が鮮やかなルリスズメダイなど、まるで映画のワンシーンのような可愛らしい魚たちが浅瀬で泳いでおり、子ども連れでも感動すること間違いなしです。
ビーチには売店があり、シュノーケルセットのレンタルやシャワー・トイレといった基本設備も整っています。
そのため「手ぶらで気軽に」立ち寄れる点でも便利です。
米原ビーチは他の有名ビーチに比べて自然のままの姿が残っているため、密かに人気のビーチとされています
観光客でごった返すことは少なく、平日や朝早い時間帯であれば人影もまばらで、透明度抜群の海を独り占めできます。ただし、米原では沖合に行きすぎると流れが速い場所があり、実際にリーフカレント(離岸流)が発生しています。
初心者の方はリーフ内の浅いエリアだけで楽しむ、無理に沖へ出ないといった注意が必要です。遊泳禁止ゾーンの表示もあるので従いましょう。
適切に注意すれば、安全に石垣島屈指のサンゴ礁シュノーケリングを楽しめます。運が良ければ米原でもアオウミガメに遭遇することがあり、実際にシュノーケリング中にウミガメが優雅に泳ぐ姿を見かけた例も報告されています。
設備が整った安心感と、自然豊かな海中景観が両立した米原ビーチは、初心者から上級者までぜひ訪れてほしいスポットです。
底地(すくじ)ビーチは石垣島北西部、川平湾の近くにある長さ1kmにも及ぶ真っ白な砂浜が特徴のビーチです
西表石垣国立公園内に位置し、外海の影響を受けにくいため一年中波が穏やかで、海水浴やシュノーケルに向いています。
浜は遠浅で、干潮時には沖合まで歩いて行けるほど浅くなるため、小さなお子さん連れでも安心して遊べます。
遠浅の海には点在するサンゴや小魚が生息し、生き物探しをしながらゆったり泳ぐのにぴったりです。特に干潮時には熱帯魚がタイドプール(潮溜まり)に取り残され観察しやすくなることもあります。ビーチ沿いにはリゾートホテル(フサキリゾートクラブメッド石垣など)があり、クラゲ防止ネットが設置されているエリアもあるため、海水浴場としての安全対策も整っています。
無料駐車場やトイレ・シャワー施設も完備されており、設備面でも便利です。
底地ビーチ自体は有名ですが、その広さゆえに人が分散し混雑を感じにくいのも嬉しいポイントです。夕方には水平線に沈む夕日、夜には満天の星空が見られるロマンチックなスポットでもあります。
シュノーケリング目的で訪れるなら、岸から少し沖に出た場所でサンゴ礁と魚の群れを覗いてみましょう。水深が浅いのでシュノーケル初心者でも安心して楽しめます。なお、沖合に行きすぎない限り強い流れはありませんが、ライフジャケットの着用は忘れずに。家族旅行でのんびり安全にシュノーケリングを楽しみたい方には底地ビーチが最適です。
川平タバガーは川平湾から車で約8分、ホテル川平リゾート(旧クラブメッド)近くの林道を抜けた先にひっそり佇む天然の入り江ビーチです。
地元ではロケ地として使われることから「撮影場(さつえいば)」とも呼ばれ、Instagramでも人気が急上昇中のフォトジェニックなスポットです。
白砂のビーチにぽつんと立つ木には手作りのブランコが吊るされており、エメラルドグリーンの海を背にブランコに揺られれば南国ムード満点の写真が撮れます。
ビーチ自体は遠浅で非常に穏やかなので、小さなお子さんでも足のつく範囲で安全に遊泳できます。
人影もまばらでプライベートビーチさながらの静かな環境のため、シュノーケルをしなくても景色を眺めたり砂遊びをしたりとのんびり過ごすだけでも贅沢な気分です。
もちろん海に入れば魚たちにも出会えます。川平湾周辺の海はサンゴ礁が点在し、美しい熱帯魚が多数生息しています。
タバガーの浅瀬でも小魚が泳ぎ、透明度も抜群なのでシュノーケリングに向いています。
ただし本格的にサンゴの群生を見たい場合は、遠浅をかなり沖合まで泳いでいく必要があります。沖合のサンゴエリアは水深が深くなり波の影響も多少あるため、上級者向けと言えるでしょう。
初心者や子供連れの方は無理をせず、足の立つ範囲で魚観察を楽しむのがおすすめです。川平タバガーには監視員や更衣室・シャワー等の設備が一切なく、駐車場も数台分のスペースがあるのみです。
そのため訪れる際は飲み物やタオルなど必要なものを持参し、出たゴミは必ず持ち帰りましょう。また周辺は民家も少なく街灯も無いため、夕方以降の訪問は控え、昼間の明るい時間帯に楽しむようにしてください。秘境感あふれる川平タバガーは、「本当は教えたくない」と言いたくなる穴場中の穴場です。
写真映えと静寂、両方を味わいたい方にぜひ訪れてほしいスポットです。
クリスタルビーチはその名の通りガラスのように澄んだ海が魅力の超穴場ビーチです。
場所は川平方面の海岸にあり、上記の米原ビーチからさらに少し先の辺りに位置しています。アクセスがやや難しく、舗装されていない山道を下った先にひっそりと現れるため、体力と冒険心のある人向けの秘境スポットと言えるでしょう。
まさに「知る人ぞ知る」存在で、普段から訪れる人も少なめです。
このビーチ最大の魅力は、アオウミガメとの遭遇率が高いことです。
エントリーして少し沖合のリーフ付近まで泳ぐと、タイミングが合えば海草を食べに来たウミガメが悠々と泳ぐ姿を見ることができます。
透明度が素晴らしく高いので、水中に差し込む日差しの中をカメが優雅に泳ぐ光景は感動的です。さらに色とりどりの熱帯魚や元気なサンゴも見られ、石垣島屈指の海中景観を堪能できます。
一方で注意点もあります。クリスタルビーチ周辺は潮の流れが速く遊泳危険区域に指定されています。
監視員もおらず緊急時の対応が難しいため、個人で潜る際は十分注意が必要です。必ずライフジャケットを着用し、岸から離れすぎないようにしましょう。またこの場所には駐車場が無く、車は近隣住民の迷惑にならない場所に停めなければなりません。
推奨されているのは徒歩10分ほど離れた米原ビーチの有料駐車場に停め、そこから歩くルートです。
道中はジャングルのような細道を下りますので、滑りにくい靴で行くことをおすすめします。
クリスタルビーチは上級者や経験者向けではありますが、その透明度と野生生物との出会いは特筆ものです。「米原でウミガメに出会うことはほぼ0%だけれど、クリスタルビーチでは高確率で遭遇できる」との地元情報もあるほどで。
ウミガメ狙いのリピーターにはたまらないスポットでしょう。挑戦する際は安全に十分配慮し、石垣島の秘められた海の魅力を味わってみてください。
石垣島最北端に位置する平野(ひらの)ビーチは、知る人ぞ知る穴場中の穴場です。
平久保崎灯台の手前から曲がった先にあり、観光客はほとんど訪れません。人工物が一切なく手付かずの自然が残るビーチで、長い砂浜とエメラルドグリーンの海原を独り占めできます。
浜辺には木陰もあり、散策やピクニックにも最適なロケーションです。
海に入ると浅瀬にもサンゴの群生地が広がっており、カラフルな熱帯魚が数多く生息しています。
透明度も非常に高く、遠くの方まで水中の様子がクリアに見渡せるため、シュノーケリングにうってつけのスポットです。
砂地とサンゴ礁が点在する地形で、珊瑚の隙間にはスズメダイの仲間やチョウチョウウオ、ハゼ類など様々な魚が観察できます。人が少ないため魚たちも警戒心が薄く、間近でその様子を楽しめるでしょう。波打ち際近くには小魚の群れがキラキラと群舞し、シュノーケル初心者でも十分に海中世界を満喫できます。
注意点として、冬場は北風の影響をまともに受けやすい場所にあります。
北からの季節風が吹くと白波が立ち、海が荒れて危険な場合もあるので、冬に訪れる際は天候を見て無理せず判断してください
逆に夏~秋の穏やかな日はまさに天国のようなコンディションになります。設備は当然ながら何もなく、駐車スペースも限られます。周辺に売店等も無いため、水分や日よけの準備は万全に。携帯電話の電波が入りにくいこともあるため、緊急時を考え複数人で行動しましょう。
平野ビーチは、石垣島の海本来の美しさを感じられる隠れた名スポットです。サンゴ礁と熱帯魚に囲まれながらプカプカと浮かんでいると、喧騒から離れた癒やしの時間が過ごせます。観光客が少ない今のうちにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
明石(あかいし)ビーチは石垣島北東部、平久保半島の東側に長く延びる砂浜です。
その長さは島内最大級で、「石垣島随一のロングビーチ」とも称されます。
開発の手がほとんど入っていない自然ビーチで、入口には「ウミガメの産卵地」であることを示す看板が立っています。
夜間に人工の明かりが届かず静かな環境で、水質がきれいな海岸はウミガメの産卵場になりやすいと言われます。
まさに明石ビーチはその条件を満たしたビーチであり、毎年夏にはアカウミガメなどが産卵に訪れることで知られています。
昼間に訪れても人影はまばらで、観光客はほとんどいない穴場スポットです。
ジャングルのような小道を抜けた先に広がる真っ白な砂浜とエメラルドの海は、まるでプライベートビーチのよう。シュノーケリングをする場合、遠浅の海なのである程度沖まで出る必要がありますが、海中には所々にサンゴが自生し、小魚も見られます。
特に浜の両端の岩場付近にはサンゴが多く、運が良ければウミガメが泳いでいる姿に出会えるかもしれません。産卵に訪れるカメたちは昼間は沖合でエサを食べていますので、その回遊ルートに当たればシュノーケリング中に目撃できる可能性があります。
明石ビーチもまた西表石垣国立公園の特別保護地域に指定されており、生物や植物を勝手に持ち帰ることは禁止されています。
美しい自然を守るため、貝殻やサンゴのかけらなども持ち出さないようにしましょう。設備面は当然何もありませんので、長居する場合は日除けテントや十分な飲料水を用意すると良いでしょう。浜には木陰がほとんど無いため、帽子や日焼け止めも必須です。また、万が一産卵シーズンの夜間に滞在する場合は、カメに配慮して静かに過ごし懐中電灯など強い光を浜辺に当てないようにしてください。
もっとも通常は日中の観光で訪れる場所ですので、その美しい景色と長閑さを心ゆくまで楽しみましょう。明石ビーチは「穴場中の穴場」とも言える存在で、石垣島北部の大自然を味わいたいリピーターに特におすすめです。
続いて、船に乗ってアクセスする沖合のシュノーケリングポイントを紹介します。石垣島周辺にはボートでしか行けない離島や沖縄特有のポイントが多数あり、ツアーに参加することで特別な体験ができます。
ここでは、一般的な青の洞窟や幻の島といった人気スポットではなく、それ以外の通好みの穴場ポイントに焦点を当てます。いずれも基本的にはガイド付きツアーで訪れることを前提としており、個人で行くことは困難または危険です。
上級者やリピーターで「もっとディープな石垣の海を見たい!」という方はぜひチェックしてみてください。
石垣島でシュノーケラー・ダイバー双方に人気なのが、川平石崎沖のマンタポイントです。特に有名なのが「マンタスクランブル」と呼ばれるポイントで、**海の女王マンタ(オニイトマキエイ)**が高確率で見られるスポットとして世界的にも知られています。
マンタスクランブルは川平湾の北西沖合に位置し、ボートで約20~30分の場所にあります。海底の清掃クリーニングステーションになっているらしく、年間を通してマンタが集まります。
マンタは通常水深数メートルの中層を悠々と滑空していますが、エサとなるプランクトンが水面近くに溜まるとシュノーケリングでも見られるほど浅い層まで上がってくることがあります。
その巨体が頭上すれすれを舞う様子は圧巻で、初めて遭遇した人は思わず歓声を上げるほどの感動体験です。
マンタポイントへ行くツアーは石垣島内のショップが多数開催しており、初心者シュノーケラーから参加可能なコースもあります。
《遭遇率90%以上》とうたうショップもあるほどで、タイミングさえ合えばかなりの高確率でマンタに会えます。
シーズナリティとしては7~9月の夏が最も高確率で、10~12月の秋は繁殖期のため一度に複数のマンタが乱舞する光景も期待できます。
逆に冬場(1~3月)は北風で海が荒れてマンタポイント自体に行けない日も多くなるため、ツアー中止もありえます。
どうしても冬しか来島できない場合は、マンタ遭遇率がやや下がる点は念頭に置きましょう。
マンタに出会えた際には絶対に触れない・追いかけないことが鉄則です。
興奮して近づきすぎたり進路を塞いだりすると、マンタが嫌がりその海域からいなくなってしまう恐れがあります。
実際、石垣島では長年ダイバーたちがルールを守ってきたおかげで今もマンタが定期的に姿を見せてくれています。
目の前を優雅に舞う姿を静かに見守り、心に焼き付けましょう。マンタスクランブルは流れがあることも多く、上級者向けではありますが、ガイドがロープに掴まらせて誘導してくれるツアーもあります。シュノーケリングでマンタと泳げる世界有数のポイントは、石垣島ならではの特別な体験となるはずです。
石垣島の西側沖合、名蔵湾と川平湾の間に位置する大崎(おおさき)エリアも人気のボートシュノーケルポイントです。ここはダイビングスポットとして有名ですが、浅めの根も多くシュノーケリングでも十分楽しめます。特に「大崎ハナゴイリーフ」や「大崎カメポイント」と呼ばれるポイントでは、高確率でウミガメに出会えることで知られています
大崎の海底にはびっしりとソフトコーラルが茂り、スズメダイやベラ、チョウチョウウオの仲間など多彩な魚たちが群れています。
特にハナゴイという紫色の小魚が無数に群れる様子は幻想的で、この名を冠した「ハナゴイリーフ」は必見です。また岩場にはクマノミ(カクレクマノミやハマクマノミ)がいくつも棲みついており、シュノーケラーを楽しませてくれます。透明度も良く、浅瀬でも8~10m先までクリアに見える日が多いです。
なかでもウミガメ(アオウミガメ)は高確率で姿を現します。海底で寝ているカメや、水面に息継ぎに上がってくるカメに出会えることがあり、その近さと数に驚くでしょう。実際に「ウミガメ遭遇率ほぼ100%」というショップも存在するほど、このエリアのウミガメ遭遇率は群を抜いています。カメは人馴れしている個体も多く、シュノーケラーと並んで泳いでくれることもあります。ただし触ったり追い回したりするとストレスを与えてしまうので、静かに観察してください。
大崎エリアへは市街地からボートで約30~40分です。ポイントによっては流れがあることもありますが、ガイドが常に同行するので安心です。ビーチエントリーはできない沖合スポットですが、そのぶん手付かずのサンゴ礁と豊富な海洋生物が待っています
ウミガメと一緒に泳ぎたい方、カラフルな魚たちに囲まれたい方におすすめのエリアです。
石垣島北部の東海岸、伊野田(いのだ)地区の沖合には、これまであまりシュノーケルツアーが入っていなかった未開拓のポイントがあります。
近年、一部のショップが少人数制の貸切シュノーケルでこのエリアを開拓しはじめ、「青の洞窟や幻の島は人が多すぎる…」と感じるリピーターに注目されています。
伊野田沖の魅力は何と言っても貸切状態の静かな海です。他にツアーボートがまず来ないため、水面にいるのは自分たちだけという贅沢な体験ができます。
一面に広がるのは石垣島らしいソフトコーラルの群落やテーブルサンゴの棚で、まるで海中にお花畑が広がっているかのような景色です。
そこにスズメダイやチョウチョウウオ、カラフルなベラの仲間たちが群れ遊び、透明度の高い水中では遠くまで見渡せます。ガイドさん曰く「周りを見渡せば誰もいない!」という環境で、石垣島の海を独り占めできるのがこのエリア最大の魅力とのこと。
場所によっては水深が浅く、シュノーケリング初心者でも安心して楽しめます。ただしビーチから直接アクセスできる場所ではないため、基本的にはボートツアーで行くことになります。東海岸は風向きによって波が立つこともあるので、海況を見極めて開催されます。
ガイド付きのプライベートツアー形式が多いため費用はやや高めですが、その価値は十分にあるでしょう。人気スポットの人混みを避けて本当の意味での穴場を求める方、研究者肌で新しい海を開拓したい方におすすめのポイントです。
石垣島の南西約15km沖合に位置する新城島(あらぐすくじま)は、上地島と下地島の二つからなる無人島(通称パナリ島)です。石垣港から船で40~50分とやや距離がありますが、その分手付かずの自然が色濃く残り、八重山随一のサンゴ礁が広がるエリアとして有名です
パナリ島周辺の海は透明度・珊瑚の密集度ともに抜群で、エダサンゴやテーブルサンゴが一面に広がる様子はまさに絶景です。「珊瑚のお花畑」とはこの島のためにある表現でしょう。
シュノーケリングツアーでは、干潮時に現れる真っ白な砂洲「幻の島(浜島)」への上陸とセットで開催されることも多く、パナリ島周辺のポイントでたっぷりとシュノーケリングを楽しめます
水深が浅めのポイントでは太陽光がさんさんと射し込み、浅黄色や薄紫色のサンゴの群生と、無数の熱帯魚たちが織りなす光景に息を呑むでしょう。運が良ければマンタやナポレオンフィッシュなどの大物が通りかかることもあります。また、人が少ないためウミガメが優雅に泳ぐ姿を見かけることもあり、その遭遇も特別な思い出になるはずです。
新城島へのツアーは1日がかりになるものがほとんどで、石垣島発着のボートツアーに参加する必要があります。離島ゆえに天候に左右されやすく、波が高い日は近づけませんので、行けたらラッキーくらいの気持ちで計画すると良いでしょう。
環境省の規制で島に上陸できる区域が限られているなど自然保護の取り組みもなされています。ツアーガイドの指示に従い、サンゴを傷つけないよう十分注意して泳ぎましょう。パナリ島はアクセスのハードルがある分、上級者やリピーターに人気の秘境です
一度その海に潜れば、石垣島周辺の海のポテンシャルの高さにきっと驚かれることでしょう。
石垣島のシュノーケリング穴場スポットも、季節や天候によって適した場所が変わります。ここでは季節ごとの傾向と、それに応じたスポット選びのポイントを解説します。
1.春(3~5月)
北東から南東へ風向きが移り変わる時期で、海は次第に穏やかになっていきます水温も上昇し始め、シュノーケリングが快適になる季節です。春は島全体で海のコンディションが良好ですが、特に南風が吹き始める4月以降は北岸・西岸の透明度が高くなります。
米原ビーチや平野ビーチなど北~東側のポイントも波が落ち着き、本来のクリアな海を楽しめるでしょう。マンタは春先から徐々に出現し始め、大型の魚影も見られるようになります。
2.夏(6~9月)
観光トップシーズンであり、南~南西の風が多いホットシーズンです。夏はなんといっても北部・西部エリアがベストシーズンになります。川平タバガーや米原ビーチ、平野ビーチなどは穏やかで透明度も最高レベル。マンタポイントも含め海のアクティビティに最適な時期で、マンタ遭遇率は一年で最も高まります。
一方、南側の浜(底地ビーチや真栄里ビーチなど)は風下となり若干波立つこともありますが、それでも概ねシュノーケリング可能です。台風シーズンでもあるため、台風接近時は無理をせず予定を変更しましょう。夏場は日差しが強くサンゴも活発に光合成します。
シュノーケリング中にサンゴの産卵(6~7月の満月頃)など貴重な自然現象に出会えることもあります。
3.秋(10~11月)
秋は風向きが南から北へと切り替わる移行期です。この時期は日によって適したポイントが変わりやすいのが特徴。10月前半までは夏と似た傾向で北側OKの日が多いですが、11月に入ると北東風が増えてきます。
北風の日は島の南岸や西岸(大崎エリアや名蔵湾側)が穏やかになるので、そちらを選びましょう。マンタは秋に繁殖期を迎え、一度に複数個体を見るチャンスが増えます。透明度は年間で最も良いと言われ、抜群のクリアさでサンゴ礁が見渡せます。
ただ、水温は徐々に下がり始めるため、長時間泳ぐ場合は薄手のウェットスーツやラッシュガードがあると安心です。
4.冬(12~2月)
オフシーズンではありますが、石垣島は冬もシュノーケリングを十分楽しめます。ただし北東の季節風が強く吹くため、北岸や東岸は高波でNGの日が多いです。その分、南岸や名蔵湾内、離島の内海などが狙い目です。
例えば底地ビーチや大崎エリアは冬でも比較的穏やかで、実際に冬の間サーファーが集まる日以外はシュノーケル可能な日も多いようです。マンタポイントは冬季は海況次第で行けないこともしばしばですが、一部ショップでは冬限定で別のポイントでのマンタシュノーケルを催行している場合もあります。
水温は20℃台前半まで下がるため、長袖長ズボンのウェットスーツ着用がおすすめです。冬の海中はプランクトンが減るため透明度が極めて高くなる傾向があり、晴れた日のサンゴ礁は一年で最もクリアに見えることもあります。「冬こそ石垣島のシュノーケリング!」と推すガイドもいるほどで、混雑も少ないこの季節に穴場スポット巡りをするのも通な楽しみ方でしょう。
以上のように、季節ごとに
「風向きの反対側」の海
を選ぶのが石垣島でシュノーケリングを楽しむコツです。
もちろん天候は日々変化しますので、現地の最新情報をチェックし、安全第一で計画を立てましょう。
石垣島の海はかけがえのない自然遺産です。その美しさを次世代にも残していくため、シュノーケリングをする私たち一人ひとりが環境保護に配慮することが大切です。最後に、石垣島でシュノーケリングを楽しむ際のマナーと環境への優しい行動についてまとめます。
1.サンゴ礁を傷つけない
サンゴはデリケートな生き物です。決して踏んだり触ったりしないでください。浅瀬を泳ぐ際はお腹やフィンがサンゴに触れないよう姿勢に注意しましょう。特に干潮時はサンゴまでの距離が近くなるので要注意です。サンゴの破片や貝殻など自然のものを持ち帰らないことも徹底しましょう。
国立公園内では生物や岩石の持ち出しは禁止されています。写真と思い出だけを持ち帰り、他はそのまま残すのが鉄則です。
2.環境に優しい日焼け止め
石垣島の海では、サンゴに有害な成分を含まない日焼け止めの使用が推奨されています。一部の紫外線吸収剤はサンゴの白化を促進する可能性が指摘されているため、できれば“リーフセーフ(日焼け止め)”製品を選ぶか、ラッシュガード・マリンスーツで肌を覆って日焼け止めクリームの使用量自体を減らすと良いでしょう。
海に入る前にシャワーで日焼け止めを洗い流す配慮もサンゴ保護に役立ちます。
3.ゴミは必ず持ち帰る
海岸や海中で見つけたゴミは、自分のものはもちろん見つけたものも積極的に拾って持ち帰りましょう。石垣島ではビーチクリーン活動を長年続けている方もおり、日々の積み重ねが美しい浜辺を守っています。
プラスチックごみは海亀や魚にとって命取りになることがあります。自分が出したゴミでなくとも、目にしたら拾うくらいの気持ちでいれば、きれいな状態を維持できます。
4.野生生物への配慮
ウミガメやマンタ、熱帯魚など海の生き物に出会ったら、静かに観察しましょう。追いかけ回したり、触ったり、エサを与えたりするのは厳禁です。特にウミガメは休息中であれば邪魔をしない、マンタは前述の通りストレスを与えない距離を保つことが重要です。
シュノーケリング中はむやみに岩をめくったり、生物を刺激したりしないようにしましょう。
5.陸上でのマナー
ビーチ周辺では大声を出したり騒いだりせず、静かな環境を心がけます。とくにウミガメの産卵地となっている浜では、夜間は必要以上に近づかない・ライトを当てないなどの配慮が必要です。
また駐車も決められた場所に行い、私有地や道路脇へ無断駐車しないようにしましょう。地元の方々の迷惑にならないよう、訪問者として節度ある行動を心掛けてください。
6.赤土流出への関心
石垣島では農地開発などに伴う赤土の川から海への流出がサンゴ礁にダメージを与える問題も起きています。赤土がサンゴに積もると光合成ができずサンゴが死んでしまうからです。
旅行者に直接できることは多くありませんが、島の環境問題にも関心を寄せ、例えばオプショナルツアーでマングローブ植樹体験に参加するなど、環境保全活動を応援するのも良いでしょう。
近年では、地球温暖化により石垣島のサンゴ礁も大規模な白化現象に見舞われています。2022年には石西礁湖の約92.8%が白化したとの報道もあり、美しいサンゴが危機的状況に陥ったことがありました。幸い現在は部分的に回復の兆しも見られ、元気なサンゴの景色を取り戻しつつありますが、私たちがこの海を守る意識を持ち続けることが大切です。
石垣島の海は、訪れる人すべてを魅了する魔法のような美しさを持っています。その宝物を未来につないでいけるよう、一人ひとりがマナーを守り環境に配慮した行動を実践しましょう。美しい海で泳がせてもらうことへの感謝を胸に、安全第一・自然第一でシュノーケリングを楽しんでください。
石垣島には初心者向けの穏やかなビーチから、上級者も唸る秘境ポイントまで、シュノーケリングの穴場が数多く存在します。それぞれのスポットで異なる魅力があり、出会える景色や生き物も様々です。
本記事で紹介したスポットはどれも石垣島の海の素晴らしさを実感できる場所ばかりです。ぜひ実際に足を運んで、その透き通る青い海に飛び込み、南国の海中世界を探検してみてください。
ただし常に安全に留意し、自然への敬意を忘れずに。そうすれば石垣島の海はきっと、あなたに一生忘れられない思い出を与えてくれることでしょう。
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